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元・外資系銀行員の自腹で通う英会話スクール

元・外資系銀行員で英語の苦手な筆者が、自腹で英会話スクールに通った経験を元に各スクールを徹底比較。外資金融の内輪話や、転職事情なども紹介。

外資系銀行員の独り言〜MBAホルダーって実際のところどうなのか

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MBAホルダーって実際どうなのか?

英会話の話題ばっかりで少し飽きてしまったので、筆者の職場での経験を元に、違う話題を取り上げてみることにしました。

 

今回は、筆者が一緒に働いたことのあるMBAホルダーが、実際にどういう人達だったのか、完全主観で書いてみたいと思います。

 

MBA、一頃流行りましたよね。最近は若干下火になったように思いますが、それでも外資系の会社では沢山のMBAホルダーが働いています。

筆者が働いたことがある人は、大体30人くらいです。同期にも取得者が4,5人います。

 

日本人MBAホルダーの場合、圧倒的に高学歴の人が多いですね。筆者の周りで一番多いのはウォートン。次がHBSで、コロンビアやケロッグなどトップ10校の人達もゴロゴロいます。

彼らの多くは、社費留学組です。日本の銀行か証券会社に入社して社内選抜で留学し、帰ってきて数年で他社へ移るパターン。派遣する会社としてはたまったものじゃなく、最近は誓約書を書かされるとこが増えてるとか。

ちなみに外資の場合、社費で留学するというケースはまずないです。「籍は残しといてあげるから、自費で勝手に行ってくれば」という制度はあります。

 

トップ10以外では、自費で行く人も多いですね。ヨーロッパのスクール出身者も少ないながらいて、変わり種としてはインドや日本も。ただ、日本のスクールは相対的に評価が低く、MBAホルダーという括りに入れるよりは、現状では経営系の大学院生として捉えた方がいいように思います。

 

MBAホルダーの強み

筆者が考える、彼らの強みは以下です。

  1. 英語を自在に操り、外国人と対等に渡り合える
  2. ゼネラリストとしての基礎体力が相当高い
  3. 突破力がある
  4. 人脈がある

 

まず1ですが、彼らの英語を操る能力は圧倒的です。数え切れないほどのケーススタディやディスカッションを経験してるので、シニアの外国人と対等どころか、 時には論破してしまうこともあります。英語のプレゼンも洗練されてます。

ここは、筆者が純粋に憧れるところです。

逆に、日本のMBAがイマイチ評価されないのはこの能力が欠けているから、とも言えます。

 

2は、「満遍なくいろんな分野についての知識がある」という意味です。全体を把握すべきポジションについた時、この能力は非常に活きると思います。

しかし、専門知識はスペシャリストには及びません。例えばMBAホルダーがファイナンス部門に配属になった時、即戦力でやれるポジションって(マネジメント能力を無視すると)CFOくらいじゃないかと思います。2年のカリキュラム内でファイナンスを学ぶ時間は限られており、基礎レベルの知識体得に留まるのは仕方がない話です。

ただし、彼らは「勉強する」ことに対して凄まじい熱意と集中力があるので、キャッチアップは一般の人よりもかなり早いと思います。

 

3と4は改めて説明するまでもないですね。

 

MBAホルダーの弱み

彼らにも弱みはあります。筆者の主観になりますが彼らの弱みは、

  1. リーダーシップに乏しい傾向がある
  2. 結論を急ぎ過ぎて、自分の考えを強制してしまう

 

です。これはかなり異論があるかもしれませんが。

そもそもリーダーシップという言葉の定義が広すぎますが、筆者が考えるリーダーシップとは、「人を上手く巻き込んで、目的を達成すること」「各局面で物事を決定し、組織を良い方向へ導くこと」です。この観点から見た時に、彼らには共通した弱点があるように思います。

 

例えば、全社規模の大規模なプロジェクトを進めていると仮定します。プロジェクトの過程で、当然障害や問題が発生します。

この時、多くのMBAホルダーは真正面から強行突破を試みます。そして炎上してしまいます。

筆者が関わった過去の事例では、内部管理部門の担当者がとある改革に反対した際に、MBA取得者のマネージャーが「彼らは思考停止している」「面子にこだわっている」と個人攻撃に走ってしまい、彼らの上司へ告げ口した結果、逆にプロジェクトから外されたことがありました。

 

MBAホルダーの場合、どうしてもマクロの目線(=CxxOの目線)で物事を考えがちだと感じます。これは、MBAの教育がCxxOを育てることを目的の1つとしていることと、無関係ではないはずです。

しかし、現実にはミクロの問題解決こそが必要となるケースは多いのです。これは外資であっても同様です。

先の事例では、内部管理部門はプロジェクトオフィス主導で全てが決まってしまうことに危機感を感じていました。このままでは彼らの存在意義が問われる(=部門長はクビ。外資ですから)と警戒し、強硬に反対したという背景があったのです。このケースでの正解というか解決策は、「内部管理部門に花を持たせ、彼ら主導で改革に成功したように見せること」でした。

 

最短の問題解決こそが重要と考えるあまり、その過程でステークホルダーを動かすことに失敗してしまう。これが筆者の考える、リーダーシップの欠如です。

プロジェクトの規模が大きくなるほど利害関係者が増え、より繊細な機微や根回しが求められるため、ある種ブルドーザー的思考の彼らにリーダーは向いていないように思います。

 

もちろん、こういった機微が最初から大得意という人も少ないながら存在します。ただし、それは極めて例外的ですね。

 

結論

MBAホルダーは、大変能力が高い人達です。一方で、人の使い方はヘタクソな人達が多いです。

しっかりした役割や見栄えのするタイトルを与え、段階的にリーダーシップを身につけてもらった上で、遺憾無く能力を発揮させるのが良いと思います。

 

以上、独り言でした。